「でも紹介状持ってないんやで?」


竜二がそう言うと、三人とも黙り込んでしまった。


「……忍び込んでみるとか」


長い沈黙に耐え切れなくなって、伸也が言った。


「そうや!時間はループしてるんやから別に不法侵入して捕まっても、明日には取り消しやん!それで行こう!」


「もし、ループせんかったら?」


竜二の発言に、冷静に健が問いかけた。


「あっ……」


「それに、門入った所に黒いスーツ着た人立ってるし」


伸也と竜二が門の方に目をやると、黒スーツもこちらの様子を伺っているようだった。


「……帰って作戦練り直すしかないか」


と竜二が言うと、健は最後にこれだけと言いもう一度インターホンを押した。


「はい」


「すいません、先程の者ですけど、伝言だけお願いできませんか?」


少しの間があって、おばあさんの声がした。


「わかりました。伝えるだけ伝えておきます」