中からおばあさんのような声が聞こえてきた。


「あのー相談したいことがあって来たんですけど」


「紹介状はお持ちでございますか?」


「いや、持ってないですけど」


「少々お待ち下さいませ…………申し訳ございません。紹介状をお持ちでない方は、ただ今2ヶ月待ちとなっております。ご了承下さい」


「2ヶ月も?!お願いします!今日やないとダメなんです!」


「そぅ言われましてもねぇ」


「お願いします!10分、いや5分でもいいですから!」


「少々お待ち下さい…………やはり、招待状がないとちょっと……申し訳ございませんが、お引き取りください」


おばさんがそう言うと、インターホンは切れてしまった。


健たちは顔を見合わせると、その場に立ち尽くした。


「どうする?2ヶ月後にまた来る?」


竜二が言う。


「アホか、ループしとんねん。2ヶ月なんて過ごせるかい」