「久々にアレやりますか?」

妹を迎えに行くなら、ここを通った方が楽だからと泉が言ったので弥生川のそばにあるジョギングコースに着いたとき突然長原が泉に提案した。

「アレ?あれやると筋肉痛になるんだよなぁ」

泉は少し乗り気がしない返事をした。

「アレって?」

哲也は長原に聞いた。長原は少し笑いながら

「誰が一番早く着くかチャリで競争。ちなみに俺の6勝5敗」
「ちょ、それは俺だろ?」

泉は長原が言った勝敗に物言いをつけた。

「面白そうじゃん。俺参加するわ」

哲也は長原に参加表明をした。

「これで2対1だが、やらないならお前の不戦敗としとくぜ」

長原はニヤニヤしている。

「やってやるよ」

仕方ないという風に両手を挙げた泉は自転車にまたがり

「3人だろうと勝ってやる」

早くも闘志をむき出しに言った。

「さすが泉ちゃん。俺も頑張っちゃおうかな」

哲也も臨戦体制を整えた。

「じゃあ行くぞ。3,2,1。スタート!」