裕は佐藤さんに今日あった出来事を説明した。詳しく話すような事はしなかったが、佐藤さんは黙ったまま聞いていた。

裕の話しを聞き終えた佐藤さんはゆっくりとコーヒーを飲み

「で、泉くんはその人に映画出演を頼むの?」
「はい」
「もし、断られたら?」
「また頼みます」
「みんなの意見が反対だったら?」
「その可能性はあるかもしれません。でも漠然とした答えですが、自分が勝手にイメージした画には彼女がいるんです」
「もう答え出てるじゃん」
「そうですね」

佐藤さんは少し笑っていた。裕も話せたせいか少し笑っていた。