日曜日の朝、裕はいつも戦っている目覚ましより早く起きてカーテンを開けた。時間はまだ6時で早朝の陽がまぶしく今はまだ人が歩いている姿も見れない。夢ヶ咲には矢ヶ崎駅から乗り換える必要があり時間は2時間ぐらいかかる。

「あら、お早いお目覚めで」

昌子は昨日録画しておいたテレビを見ていた「大奥の隠された秘密」とかいう内容で毎週楽しみにしている番組だ。

「ああ、飯は?」
「適当にパンでも焼いて」

裕が聞くと昌子は台所を指差した。裕は冷蔵庫に入っていた麦茶を注ぎながら昌子を見た。どうして光司と昌子は結婚したのだろう。基本アクティブな昌子とどちらかというと仕事から帰ってきてから出かけない光司とでは性格が違う。

「なぁ、ちょっと聞いていい?」
「なによ?」

相変わらず昌子はテレビを見ている。

「どうして親父と結婚したの?性格違くね?」
「はぁ!?」

昌子は裕に振り返るとイスを指差した。どうやら座れということらしい。裕は出来たトーストをかじりながらイスに座った。