裕たち4人は相田に簡単な自己紹介をすると相田は一人一人よろしくねと会釈をする。宮田との性格の違いがありすぎて逆にうまくやっているのだろう。

「とりあえず本題に入ろうぜ」

長原が提案すると、宮田はカバンから同好会設立届の紙を取り出した。

「今日、先生に聞いてみたら必要なのは設立時に会員が5名以上いること、顧問がいること、同好会の活動内容を記入して提出したら審査して許可が出るみたい。審査って言っても変な内容じゃない限り認められるから顧問を見つけることが一番難しいらしいよ」

宮田の説明を聞いていた長原が

「顧問も重要だけど、人数も微妙かも知れないな。西山さんは掛け持ちだし、相田さんは3年だから俺たち3人と宮田さん含めて実質4人とカウントされたらマズイ」
「ということは部活に入ってない1年か2年を連れてくる必要があるわけだな長原ちゃん」
「そう、可能性の問題だ。面倒な心配は早めに対処したほうが楽だし。」

長原の提案に裕はなるほどと思った。わずかな可能性があるならば対処したほうが良いがそこまで考えがつくことはできなかった。改めて裕は長原の冷静さに感心した。

「美樹から聞いてたけど長原くんホントに同い年?普通そこまで考えつかないよ」

宮田も感心している。長原は何事もなかったように

「楽したいから面倒なことを先に考えただけさ。そこまで感心することじゃない。とりあえず、誰か誘ってみるのは明日以降にしてその他のことを決めようぜ」
「じゃあまずは同好会の部長からなんだけど、これはキミで決まってるから…」

宮田が何事もなかったように裕に紙を渡す。

「ちょっと待て。俺部長?」
「キミ以外誰がいるの?」
「いや…普通に決定事項なのこれ?」

裕は周りを見渡すが皆一応に頷いている。

「お前が適任だ」
「泉ちゃんしかいないでしょ」

長原・土田が当然のように言う。

「泉がやるのがベストだと思うよ」

西山までもがそれに続く。

「わかったよ。じゃあ俺が部長やらさせてもらいます」

裕は部長記入欄に自分の名前・住所・電話番号を記入した。副部長には行動を起こした宮田がなることで全員賛成した。