「いきなりなんだ?」

突然のことに裕は優美の顔見る。優美の顔はからかっている顔ではなく真面目に言ってることはすぐにわかった。

「だって、兄いつも長野さんと遊んでたじゃん。」
「それは幼馴染だと言うことと、まだガキだったことをお前忘れてねぇか?」
「そうだけど・・・中学になっても手紙とか届いてたし長野さんだって嫌いなわけないと思うんだけど」
「俺に勇気がなかっただけだ。今も好きなのかは正直良くわからないけど会ってみたい気持ちはある」

麦茶が注がれてるコップを見つめる。次の言葉が裕には見つからない。ただひたすら眺めることしか出来なかった。

「現状、長野がどこに住んでるかわからないし会える確立なんて無いに等しいけど、わずかな収穫があったな」

長原が菓子盆を置いて裕に告げる。卒業以降、途切れていた糸が少し繋がったような気がした宮田さんとの出会い。裕は何か不思議な感覚になった。