オレはこの二人を凝視してしまった………









夜は繁華街となり 何十万人と住んでいる街の中心で………








いったいドコから押してきたのだろう………








おそらく60才は 越えてるであろう二人………









やがてオレの視線に気付いた二人は………










オレの カオを見つめながら 照れ笑いを浮かべ………










自分達の恰好をあらためて確認して………








また………








楽しそうな笑顔で………









二人とも声を出して笑っていた。
オレもつられて笑ってしまった………









お婆さんは「私達、こんな恰好で、目立つわね〜」
と 無邪気に笑いながらオレに話しかけてきた。










「あ、イヤ!」……










これしか言葉がでないオレは、
なんて言ったらいいかわからなかったが、
二人の人柄が感じとれて………











とても良い気分になった。










お爺さんが「時間までに野菜をもっていかないと 買ってくれないから 無我夢中で押してきたんだ〜」、
と 自分達の行き先や道筋を教えてくれた………










オレはただウンウンと頷いて聞いていた。









オレも自然と笑顔でいる………










「ずっと こうして生きてるから!」 、











お爺さんはそうオレに伝えてきた。









信号が青になり………










オレは横断歩道だけだが………










押すのを 手伝った。










「いや〜ありがとうございますね〜!」
と深々とアタマを下げてくれ、………










街中に消えていった。 ………………










なんだろう………










オレの中で………











今までにない………











今までとは違う………














熱い感情がわいてきていた。


その二人の姿は……









オレの中で ずっと 残ってる………









いろんな事を 一瞬で 見せてくれた………








生き様…








生きかた…










生きる道。









きっと自分の姿に疑問をもっていたら……








目を合わせても、
下を向いたり、
ニラミかえしたりしてきただろう……









純粋に生きてるから……










知らないオレの視線でも……









笑顔で答えてくれたんだ……………








ちゃんと自分を………







ちゃんと人生を………







ちゃんとわかってるから、………










しっかりと自分を見つめよう………








余計な事を考えるから………









未来が不安になり……









怖くなる……









どんな時でも………










前に進む気持ちがあれば………


















自分の答えは必ずみつかる……………

希望がみえなくなり…


絶望して…


そして堕ちていく…


でもホントはそうじゃない…


希望をみつけようと思わなくなるから堕ちていくんだ…


光がみえるから上をみるんじゃない…


光をみようと思うから上をみるんだ…


可能性は無限にある…


ただ光を見ようと思えばいい…


思うだけでいい…


絶対にこれは正しいて答えはない…


でも絶対に間違ってる答えはある…


堕ちていくぐらいなら上をみて光をみよう…


その先には…










ちゃんとたどりつける光り輝く未来があるから

いままで…


関西の人との出会いが多く、
親友になった人も多い………


そんな考えで、
大阪に向かってみた。


昔の仲間が、
美容師で店で経営するようになっていた。


連絡をすると 彼は 部屋を提供してくれた。


いままでも…


行動する事で何かがおこってきた……


今回も……


自分にとって……


大事な瞬間の予感は……







この時から感じてたかもしれない……
彼の仲間も……


相変わらずだった、
彼もオレもそうだが、
まぁ、 いろんな人があつまっていた、
みんなとても明るく、人なつこくって





すぐにオレを昔から親友のように接してくれた……


大学を出たばかりの新人教師、


スポーツインストラクター、


ホスト、


芸人、


などなど……



そんな人達が自然に集まり……



いつも朝まで遊ぶ……



とても楽しく……


素敵な人達だ…… …………










みんなそれぞれの道を歩んでる……

そんなある日……


オレが13才の時にお世話になったおばさんが会いにきてくれた……


久しぶりに会ったおばさんは…………


重い病気にかかっていた………


そんな身体で、会いに来てくれた………


どうしてもオレに会っておきたかったと、………


部屋を出てから会ってはいなかった。


でも……


この人は……


オレの母親のような存在だ。


おばさんは言ってくれた……


「穏やかな顔になったな」





そして……








オレの姉達が連絡をとりたがってると教えてきた。

地元を出てから会ってはいない……


今は、姉妹で 、横浜でエステの店を経営してると。


「久しぶりに会ってあげなさい」、




おばさんにそう言われると断れない………




でも会いたい気持ちは正直ある。………………


姉達には怨みはない………


でも………





その先にいる人に会うのは 正直 戸惑いがあった。

その先には ………




必ず………






親の話がでてくる………







オレは地元を出てからは………







親とは関わらないように生きてきた………







でも………



オレ自身が 前に進むためには、
きっと自分の闇と向き合わないといけない………







教えてもらった番号に電話して……








姉達と会う約束をした。