小さい頃は…


当たり前のように…


愛があふれていたから…


パパとママが…






僕のすべてだった…


優しい時間が流れていたと思う…いろんな笑顔があった…僕をまっすぐ見てくれていた…僕もまっすぐ見ていた… かまってくれるのが1番の幸せだった、好きなモノはなんでもあった                                

裕福な家庭だったからなのか?………………どうしていまは…憎みあう関係になってしまったんだろう                       

ひとつの言葉を覚えた……………同族嫌悪………

父の家系は地元では 権威があり…まわりの誰もが気を使うような、1番大きな家…1番高級な車…子供たちには…望むものをすべてあたえてくれた                         

でも……人格者ではなかった… 祖父も…父の兄弟も…傲慢で…欲深く…まわりを軽蔑し…チカラで押さえ…黙らせ…従えている                                  

そんな家系だった…

僕も…そうだった… カラダもデカく…同じように育っていた…まわりに悪いとも思ってもいなかった                      

だけど…だんだんとわかるようになった、 まわりの大人の…冷たい…刺すようような瞳で… 僕を見てる事を… そう…子供にもわかるぐらいの………軽蔑な瞳……… でも誰もさからえない……                           

いまでも…あの大人達の…瞳は…忘れられない……

母も…壊れてしまっていた……18才で長女を生み… 母もまた…父の世界がすべてだったのだろう…父の暴力も…耐えてるというよりは…これが当たり前だという感覚だった                                      

父が母を殴り…母が…僕を殴る…誰にも言うなよと怒鳴りながら………ほんの少しでも…相手が自分を…バカにしてる、拒絶してると感じると感情がおさえきれない…罵声をあびせ…自分にさからえない相手には気がすむまで殴る…… きっと先祖代々、繰り返してきたんだろう                                    

その悲しく醜い連鎖は…………やがて終わりをむかえた……


祖父が…亡くなり…財産争いがはじまった…叔父も…叔母も…僕を憎き敵の子として見るようになった   


あんな傲慢な一族でも…仲は良い関係だった…悪く見たら…お互いに利用価値があるからだろうか………誰も…止められる人も…止める人もいなかった…



いつも一緒に遊んでいた同級生に言われた…… 勝ち誇るように…「オマエの家 危ないんだってな」……

根っからの…悪い人間はいないかもしれない…きっと父も…僕と同じく…まわりの大人達の冷たい瞳に囲まれて育ったんだろう……精神不安定な…悪い年のとりかたをしたんだと思う……


教えてくれる人がいない……人生を………人間を…………誰も信用できない……


今のオレなら親父に言える…………そうではない…


自分を信用させてほしいじゃない…………………人を信用したい…………


その気持ちが強いほど…………
人に優しさをもとめて………
強く……
きつく………
接してしまう…………
その気持ちを………
自分を信用してほしい………
人を信用しようと………



良いほうこうにもっていけば………
もっと良い人生をおくれただろう。
そんな人は……
愛する人にも……………とことん優しいトキと……とことん冷たいトキがある………
愛される人もそのブレの激しさにはついていけない……
その気持ちにこたえようとする人がいても気付かない………小さい僕は気付いた………


決心した…………



家を出よう…………