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 夢その一
 気付くと僕は、四角い長方形の部屋でたったひとつだけある椅子に座っていた。
 ここはどこだ? そう思いながら周りを見渡していると、何かが入ってきた。
 どこから来たんだ? 僕は思った。
 だって入ってくる扉なんかないのだ。
 こちらを見遣った何かは、不躾に質問をしてくる。
「1+1は?」
「2!」
「2+2は?」
「4!」
 永遠と続いていく。
「18384+18384は?」
「……? 分からない」
「36768+36768は?」
「ねぇ! 分からないよ」
「73536+73536は」
「やめろ……、もうやめろよぅ!!」
 無限に続く数字の羅列。その中で、僕は涙も枯れるほど泣きじゃくっていた。