「俺の事はちゃんと拓斗って呼べよ?」
いきなり男の子が言って来た。
「分かったよ。
私のことも優美って呼んでよ?」
「分かった。」
そう言って笑う君は、やっぱり眩しい。

これから拓斗の事を少しずつ知っていこう。拓斗にも私の事知ってほしいな。
私より年下なくせに、拓斗はとても大人に感じる。
私はそれについていけるだろうか。

「そろそろ行こっか。」
「そうだな。」
お互い頷いて、フミキリを渡り始めた。
このフミキリで修司は死んでしまったけど、またこのフミキリで新しい事がスタートした。

何が起こるかは分からないけど、ちゃんと2人で乗り越えていける。
拓斗っていう修司に少し似た人と、こんどは歩んでいく。
(頑張らなきゃ。)
またそう意気込んで私は拓斗とフミキリを後にした。

これから待つ、幸せに向かって。