「お姉さんの名前ってさ、優美?」
男の子は、持っている花束を供えながら言った。
「そうだけど――何で知ってるの?」
「修司先輩から聞いたんだよ。
修司先輩いっつも優美優美言ってた。」
「っ」
予想もしていなかった発言に、私は顔が赤くなる。恥ずかしながら、少しにやけが止まらない。
「ぅぇべ...へへへ。」
「...嬉しそうだね。」
うっかり気持ち悪い笑い方になってしまって、若干男の子に引かれてしまった。
「って...修司と話した事あるっておかしくない?」
だって修司はこの男の子を助けた時に死んじゃったわけで...修司とこの男の子が話せるわけないでしょ。うん。
「あぁ。
俺が修司先輩に助けてもらって間もない頃、このフミキリでよく「俺のせいで...」って泣いてたんだよ。
そしたら幽霊の修司先輩に会って、それで話したんだ。その後も何回かね。」
「さようですか...」
そうかそうか。
幽霊というてがあったかい。
そーかいそーかい。
納得。