どうして修司が謝るんだろう?
それを言ってしまえば、私は君を困らせてばかりだ。
私はもっと強くなきゃいけないのに。
いつも君に頼りすぎていたから。
「修...」
「あのな、」
私が話そうとしたら、それは修司の言葉によって遮られた。
「俺、実はさ...お前に一言いいたくて戻って来たんだ。」
修司は少し俯きながら話す。
「私、に?」
「あぁ。」
「俺....」
しばらく間があいて、風で揺れる葉の音だけが妙に耳につく。
あまりに静かすぎて、いつもは五月蝿いフミキリも今はだんまりで、時間が止まってしまったみたいだった。