突然、目の前に現れた真っ白い服を着た女。


”…あのぉ、目が点になってますけどぉ”

『どっから来たんだよ!?』


さっきまで…いなかったじゃねぇか!?今までTVで数々のマジックを見てきたが、目の前でこんなにも驚くイリュージョンを見たことがない。これは現実か!?どっきりか!?とまた頭を使い始めると、”残念ながら二つともハズレです~”と女は言う。


”んー、天使とでも言っておきましょうか”

『______…天、使?』

”はい~”

『…天使ってあの、天使か?』

”はい~♪”


とんでもないイリュージョンを繰り広げた次は、天使?またとんでもないワードが出てきて、脳内処理速度が追いついていかない。


”時間もないので本題に入りましょうか~”


次の瞬間、今までのありえない状況など吹き飛ばすような予想もしていなかった事実を告げられた。


”ゴホン。本日、午後1時43分02秒”
佐藤巧(さとうたくみ)さん、アナタは死亡しました~”

『_____…は?』


死亡、しました。誰、が?


自分には到底馴染みにない言葉だった。辺りを見渡してみるが、この白い空間には自分と女だけ。恐る恐る自分を指さしてみると、自称天使はニコリと微笑んだ。

俺が、死んだ。俺が…_______。何言ってんだ、アンタ。


”大抵の方は否定しますが、残念ながら現実です~。そして、ココは新たな生命へと転生をする為の通り道になってます~”


信じがたいことばかりが続き、頭の中をぐちゃぐちゃにかき乱される。
ついさっきまで、…そうだよ!俺は季恵(きえ)との待ち合わせ場所へ向かっていたはず。時間ギリギリで、焦っていたけど向かっていて、それで…子供がボールを追いかけ飛び出して来て、それで…_______。


”思い出されたようですね~”

『まさか、…俺、あのトラックに引かれ、て?』

”はい、即死です~”
_________________…マジかよ。