なん、だ?カラダが、宙を浮いてるみてーだ。
立っているのだろうか?それとも寝ているのだろうか?自分の体が、今どうなっているのかわからない。


”_______…っ”


無重力。この言葉がしっくりくるなと感じることができた時、遠くのほうで何かが聞こえてくる。誰の声だろう…季恵(きえ)だろうか?
すると、パンパンと破裂音が鳴り響いた。


”ハイハイ!そろそろ起きてくださ~い”


重い瞼を開き、徐々に見えてきた風景は、


『____…どこだ、ココ』
_______真っ白な世界だった。


目の前に広がるのは、なんにもない白い世界。右を向いても左を向いても上を向いても、何一つない、真っ白。


『______…ありえ、ねぇ』

”お目覚めですね、おはようございますぅ”

『!?…誰だっ!』


この現実にはありえない状況を、頭をフル回転しながらなんとか答えを出そうとし始めた瞬間”声”だけが耳に届いた。確かに声は聞こえたのに、姿が見えない。


”ひとまず深呼吸してみましょうか、さぁ〜吸って〜”

吸って〜
吐いて〜……

『…って何やらすんだよ!』


素直に声の指示に従ってしまい、苛立ち始めると”素晴らしいツッコミですねぇ~”とからかわれた後、パチンとまた破裂音が鳴り、目の前に真っ白い服を着た女が現れた。