風が俺達とぶつかり合った。

後ろから優花が叫ぶ。


「ちょっ風悟!!早いよっ!!」

「ちゃんと掴まってろよ!?」


優花はさっきよりきつく俺に抱きついた。


坂を半分ぐらい降りたところで景色の移り変わる速度があがった。



俺はもちろんブレーキをかけているが、

さすがに俺の喧嘩友達も俺達二人の勢いにはかなわない。


俺らは風のように坂を下っていった。



「「気持ちいいー!!」」



大きな坂の下の方から


二人の歓喜の叫びが響いた。





end.