しばらくの間、警察の捜査が続いた。

住人たちも総出で、少年を探した。


けれど、何一つ、収穫は得られなかった。

しばらくの間は、この話題で持ちきりだったが、それも、いつしか、忘れ去られていった。

少年の失踪事件は、過去の出来事として、人々の記憶の底に眠っていったのだ。



時が経つのは、早い。


そんな事件、あったっけ?などという、人も珍しくはないほどに。



でも、一部の人々の間では、都市伝説として、記憶され続けることになる。

噂は噂を呼び、尾鰭がつく。

最初は不可解な少年の失踪事件─だったのだが、しだいに、神隠し─などと騒がれるようになり、さらには、幽霊が現れ、少年をさらっていった─なんていう、非現実的な要素が加わってしまったのだ。

今となってはそれが浸透し、都市伝説となってしまっている─そういうわけだ。