降り続く雨のおかげで、身についていた返り血は流されていた。

ただこの身体に染み付いた血と、死の臭いまでは一生取れることはないだろう。





そんな雨の中を歩き、ほどなくしてたどり着いたのはあるひとつの建物の前。

周りの建造物より一回り程大きなそれは、高層マンションの様な造りとなっていて、ここに俺は住んでいる。

専用の個別認識カードをドアに差し込むと、自動でそのドアが開いた。

ララはその様子を物珍しそうに見ていた。


見慣れた部屋の中は相変わらず殺風景で、白と黒を基調とした必要最低限の家具などが置かれているだけだった。