太陽がアスファルトを焦がしている。
殺人的な光線だ、と海砂はぼんやりと思った。
ここはクーラーの効いた喫茶店の中だからいいのだけれど、この向こうにはまだ当分出たいとは思えない。
もっとも、出してもらえそうにもないのだが。
向かいを見れば、節目がちに少年がペンを走らせている。
海砂が見つめていることに気づいたのだろうか、ぱちり、と目が合った。
「海砂、手が止まってる」
「だってわかんないんだもの」
「何が?」
こそり、と。
彼の耳に口を寄せる。
別に聞かれて困る内容じゃあないが、ノリだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…