太陽がアスファルトを焦がしている。

殺人的な光線だ、と海砂はぼんやりと思った。

ここはクーラーの効いた喫茶店の中だからいいのだけれど、この向こうにはまだ当分出たいとは思えない。

もっとも、出してもらえそうにもないのだが。




向かいを見れば、節目がちに少年がペンを走らせている。

海砂が見つめていることに気づいたのだろうか、ぱちり、と目が合った。



「海砂、手が止まってる」

「だってわかんないんだもの」

「何が?」



こそり、と。



彼の耳に口を寄せる。

別に聞かれて困る内容じゃあないが、ノリだ。