「俺はさ、こんな閉じこもってないで、人間の街に行って、もっとたくさんの人間を見たり、一緒に喋ったり、まぁ、セックスしたりとかしたい訳。そしたら、もっと人間に近付ける気がするんだよなぁ~」

唇を尖らせ、天井を見上げるレン。

こんな仕草をするロボットが、人間に近付きたいなんて、何だかちょっと変な感じ。

「あなたも同じ理由で脱走?」

あたしは、オリジナル・ジンを振り返った。

「俺は少し違う」

ジンが一言こう答えて、まだ言葉が続くのかなぁって待ったけど、それ以上はなかった。