「はいはい。
でも、潤は小さい頃から
よく迷子になってたから、つい」
含み笑いをしながら、
懐かしそうに言う、お兄ちゃん。
『あたしはもう子どもじゃないもんっ!』
こういう、すぐにムキになっちゃうトコロ、
ほんと、可愛くないなー・・・
「変わんないよ、潤は。
・・・でも、確実に変わった。
あの頃とは、全く違う」
『・・・そうだね』
そうだ。
あたしたちが、変わったんだ。
あの、何も出来ずに、
ただただ毎日、あなたを想うことしかしなかった、
あの頃とは。
変わらないことは、いいことだと思う。
けれど・・・
変わることもまた、大切なことだと
あたしは思うの。