あたしたちが向かう先は、
今いる駅から、ほんの少し歩いた所にある、
最近できたばかりのショッピングモール。
ショッピンモールは、
いたるところがクリスマス仕様になっていた。
『かわいー!!』
風情のあるガス灯に抱きついている、
ミニサンタのお人形。
大きなトナカイの引いている、
ソリの遊具。
そして、お店や看板を華やかに照らす、
イルミネーション。
それらを見て、あたしは思わず歓声を上げる。
あたしはオープンしたての頃に一度来たきりで、
それ以来、全く来たことが無かった。
そのせいもあり、
クリスマスでいっぱいのモールは、
あたしのテンションを一気に上げた。
「はしゃぎすぎて、迷子になんなよ?」
あたしの上から降ってくる、
愛しい人の、あたしの大好きな声。
『子ども扱いにないでよっ!』
頬を膨らまし、
怒った様な素振りをするあたし。