少しずつ思考回路が働きだし、思い出したのは……





「麻夜は、本当に頑張り屋さんだよね。
辛いときは、甘えたり頼る事も必要なんだから。
いつでも先生に甘えていいからね。
その時は、先生の胸、貸してあげるから」






そうだ…、石山先生に今日はいろんな話したから……






だから先生は、私の強がりな所を甘えさせようとしてーー………






「先生、私なら大丈夫ですから。
今日は、先生とお話して気持ちが楽になったから。
だから、もうーー………」





と、言いながらも石山先生に抱きしめられている温もりを感じていたい…
気持ちを打ち消して、離れようとしても、出来ない。






そうすればするほど、石山先生がきつく抱きしめてくるからーー………






「麻夜…の事、ずっと抱きしめたかった。
ごめん、でも……我慢出来なくてーー………
こんなのイヤだよね」







すごく切ない辛そうな石山先生の声に、私の胸は張り裂けそう……







私だって、石山先生の事が………ス、キーー。
石山先生に、抱きしめてもらえるなんて夢にも思っていなかったから………






でも、やっぱりこんなのダメだもん。







だって、石山先生?
先生には、家族がいるんだから。