私のドキドキが止まらないーー………




そう、今って……
石山先生とふたりっきり。




でも、石山先生は私の事、かわいい?!教え子としか思ってないから……




だから私が…、私一人だけがドキドキしてるのも、おかしいからねっ。





そんな思いで、ずっと夜景を見ていた。
石山先生の方を振り向けなくてーー………





しーんと静まり返った車内。
何か話さないと…、でも、何を話したらいいのか分からなくて、考えていたら……






ふいに、石山先生が、






「麻夜……」





って。




呼ばれて振り向いた私に、石山先生は……






「今日は、麻夜に会えて楽しかったよ。
ねぇ、麻夜は先生の事ーー………」






あとの言葉が聞こえなかったーー………






私、今……どうなってるのか、分からなくて。
思考回路がストップ……




ただひとつ、ようやく理解出来たのは、今、私は……









石山先生に抱きしめられているーー………






という事だけだった。