「だって〜繭が居ないと楽しくないんだもん」


………っとにも〜…。
とか言いつつ私はかなり嬉しかったりするわけよ。

「祐介は?」

「なんかね、怒って帰っちゃったよ」

「怒る?なんで怒ってたんだろ」

「さぁ〜…。知らなーい」

「ま、そのうちに機嫌直るから大丈夫だよ。きっと」

「だね〜」






少しの間、私達の沈黙が続く。
別にこれと言って喋る話題もないし、それよりなにより、アイツのことが気になって……。

「繭?ねぇ、繭っ」

「…………え?」

「ちょっと繭〜さっきからずっと呼んでたのにボーッとしてー」

「ごめん、ごめん」

「大丈夫?繭も今日おかしいよ?」

「そう?」

「うん、なんかあったの?」

「別に?得に何もないよ」




む…なかなか勘がさえてるな、萌花。
べ…別に、祐真とやましいことなんかしてないからドキッとする必要もないんだけど、なんか恥ずかしくて。

「ね、繭!これからどっか寄ってかない?」

「え、いいけど。何処行くの?」

「そーだな〜…ん〜…あ!!マック行こ!」

「OK、じゃあ行きますか!」

「イエッサ〜!Go to the Mac!」

「も〜っ萌花ってばはしゃぎ過ぎ〜」

笑って私は萌花をからかう。









私……多分この時から祐真のことが好きだったんだと思う。
でも、とりわけ私は自分のことに疎いからこの気持ちに気付くのは後もう少し先の話し―――…。