「うん。終わったよ?」

「うそー…じゃあ最後私だけ〜?」

「…てことになるんじゃねぇ?」


なんでこうすることが遅いかなぁ〜私は…。 自分自身でも呆れるよ。

「じゃあ俺等、笹川が終わるまで待ってる」

「いいよ、先に行ってて。終わって追い付けたら追い付くから」

「え…でも」

「いいからー!先に行っててよ」

「本条くん、繭がこう言い出したら変わらないから繭の言う通にしよ?」

「分かった。じゃーな!笹川」

「うん。バイバーイ」



なんだ?祐介、今日はやけに聞き分けいいじゃん。何かあったのかな?


そうして萌花と祐介は帰っていった。

「あ〜あ。一人になっちゃったなぁ〜…」

そう私は呟いた。

「もしもーし、俺さっきっからずっと此処に居るんだけど〜」

「あ、そうだった。居たんだね」

「いましたよ〜…てどう?終わりそう?」

「ん〜…あともうちょっと」

「そう」

「いいよ〜職員室に戻ってても」

「いや、待ってるよ。後ちょっとなんだろ?」

「うん、まぁ」




戻ればいいのに。
気ィなんか使っちゃってさ、こっちが申し訳なくなるよ。



「出来たよ」

「お、やっとか」

「ほら、遅くなってごめんね」

「大丈夫だって。待つのも教師の勤めでしょ?」



………なんだよ。
違うって分かっててもそんな気しちゃうじゃんか…バカ。

「じゃあ、私帰るから」

「おー。気ィつけて帰れよな繭」












………繭………?
私の名前だよね……?今、祐真私のこと『繭』って言った……?



私は耳を疑った。
まさかアイツの口から私の名前がでるとは思ってもみなかった。
でも、教師と生徒が下の名前で呼び合うとか変じゃないかな?

でもまぁもう呼ばれないだろうし、私もアイツを下の名前呼ぶ気なんてさらさらないけどね。








さて、帰ろうかー。


「繭〜!」


え?萌花!?

「どうしたの!?まだ帰ってなかったの!?」