「シ…シリコン…」

「でもね〜案外重たいのよね〜肩こっちゃって」

「は…はぁ…」

肩を揉みながら得意げに言う充さん。
が、私にはそれどころじゃあない。

「兄貴、悪ふざけはやめろよ。頭痛む」

「悪ふざけだなんて人聞き悪いわねぇ」

「そのオネエ系の言葉遣いとその趣味どうにかしろよ」

呆れた顔の祐真が冷たくあしらう。
が、私にはそれどころじゃあない。

「……ク…クラクラする」

「「えっ!?」」

私はその場に崩れ落ちた。眠るように気が遠のいていく途中、『繭』祐真の声だけが頭に響いた。










気が付けば保健室。

「うはぁ〜…気分悪…」



「大丈夫?俺が悪いんだよなぁ」


ベッドの傍らには充さんが。どうやら、ずっと着いててくれたみたいだ。
しかしさっきまでの充さんじゃなくて、きっちりとスーツを着て男らしい言葉遣いでイケメンな充がいた。


「なんか…すいませんね」

「いや、俺も悪かったからなぁ。ホントごめんね」

「あ、いや。大丈夫ですよ?」

「それはよかった!」

「………て!!授業はっ!!!?私またサボリになっちゃうし!!」

そんな私を見てクスクスと笑うと頭をポンと撫でて私を見つめた。

「ホントに面白いな、繭ちゃんて。大丈夫、祐真がアリバイ作ってくれたから」