「じゃあ繭の先に教えて」

「いいよ。赤外線使える?」

「使えるよ」

「分かった」

「じゃあ送ってきて」

「OK、今送ったから」





<♪ピロリン>


「あ、来た!じゃあメールするよ」

「うん、待ってるよ。じゃあ用はこれだけだから私、教室に帰るね」

「待って、繭」




私は体をグイッと引き寄せられ、額にキスをされた。
初めてのことに戸惑う私に『可愛い』と言いながら祐真は職員室に戻っていった。


してやられた。
コンチクショウ…。心臓が潰れそうだった。
ホント祐真ってカッコイイな…。
ムカつくなぁ〜…なんてウソ。
実は言うとすんごい嬉しかったりした。

「祐真のバカ…」

顔が熱いのがすぐに分かる。
今の自分の顔、きっと真っ赤だよ。


それからチャイムが鳴って私は教室に戻ったのだった。




「繭ってば休み時間どこ行ってたの?」

「職員室に用があって」

「ていうかね!聞いて!聞いて!」

「何?どーしたの?」


幸い教科担当の先生は遅れて来るみたいだ。

「私ね!本条くんに告られたんだ!」

「うっそ!マジで!?」