なーんか選ぶ気失せてきた。

私のがなくても気づかないだろうしね。まぁ一応誕生日聞いておこう。

私のちょっとした嫉妬。



<キーンコーンカーンコーン>



よっしゃぁ〜〜…。やっと終わった〜。


「じゃあ萌花、後でね!」

「あ、うーん!先教室に帰ってるね!」

「はーい」




駆け足で職員室に向かった。


ただ早く喋りたくて、ただ早く会いたくて…。次私を見るときどんな顔するんだろう。笑ってくれるかな?
それとも―――。



「失礼しまーす。柳川先生いらっしゃいませんか?」

「柳川先生か?呼んできてやろう」

「ありがとうございまーす」


数分間待たされた私はまだかな、まだなかと心待ちにしていた。

「繭、どーしたの?」

「あ。やっと出て来た」

「ちょっと職員室から離れようか」

「そーだね」



意外と普通の顔だった。
面白くないなぁ〜…もっといい顔するかと思ってたのに。
期待ハズレだったなぁ〜。

私と祐真は体育館裏のプレハブに足を運んだ。
途中、会話はあまりなくて沈黙が私の頭を痛くする。


「着いたよ」

「あ、ホントだ。こんなとこにプレハブなんかあったんだね〜」

「で?俺に何の用だったの?」

「そうだった!あんたの誕生日聞きにきたんだ」

「え?もしかしてそれだけの為に職員室に来たの?」

「そう…だけど。駄目だった?」

「ぶはっ!!ホントに面白い子だね、繭って!そんなに俺の誕生日知りたいの?」

「うん」

「いいよ。教えてあげるからメアド交換しようよ」

「うん、分かった」