<ガラッ>

「あ。繭」


ゲッ……!なんでいるんだよ!
今一番会いたくなかったのにさっ!!


「お前な、なんで俺の授業サボったの」

「なんだっていいじゃんか」

「教えてよ。俺に迷惑かけたいの?」

「そんなんじゃないよ」

「じゃあ、なんで」

「言ってもいいの?」

「なにをだよ?」






ここまで言って決心が鈍る。
私ってかなりの小心者だよね。


「授業出なかった理由、教えてほしいんでしょ?」

「まあ、そうだけど」




私は祐真の真っ正面に向かって歩き出す。私は教卓に身を乗り出して祐真に顔を近づけた。


「なっ!?なんだよ?」

「私があんたの授業に出なかったのは――…」




ドキドキが止まらない。
相手に聞こえていそうなくらいドキドキ言ってる。心臓が潰れそうだ。
今だ……!言え!!私!


「あんたが好きだからだよ」

「………え…?」

「好きだから…好き過ぎて苦しかったからなんだよ…」

「え…俺のこと好きなの…?」

「……そうだよ」




その場を立ち去ろうとした私を祐真が引き止める。触れたところがすごく…熱い。

「待ってよ」

「なんで…?」

「返事がまだ―――…」

「いいのっ!返事ならもう…分かってるから」

「なんで分かんの?」

「そんなの、考えなくても分かるじゃん」

「じゃあ俺がなんて返事しようとしてたと思うの?」

「それは…」

「ほら、分かってないじゃん」


意地悪く私を問い詰める祐真。しかもちょっと怒ってる……?



「言ってみなよ。なんて思ったの?」

「そんなの決まってんじゃん。あんたは私を振るんでしょ…?」