「おい、コラ、バカ笹川」

「えっ!?」

祐介!?
なんでここに!?今授業中じゃん!

「みんな心配してんぞ。早く教室戻ろうぜ」

「いいの。私はこの授業サボるから」

「なんでだよ」

「なんでもなの。いいから放っといてよ」

「嫌。じゃあ俺もサボってやるよ」

「何言ってんの?バカじゃん。私のために評価下げてどーすんのよ」

「勘違いするなよ?俺は俺がそうしたいからしてるだけ」

「じゃあ勝手にすれば」

「言われなくてもするつもりだっての」






私は間違ってんのかな?
祐真のこと、好きになっちゃいけなかった?


「ね、祐介」

「ん?何?」

「この際だから言っとくよ。私ね先生のことが好きなんだ…でも上手く行かなくて」

「やっぱそうだと思った。土曜来なかったのもアイツが関わってたからだろ?」

「まぁね…。でも素っ気ないでしょ?私に対して」

「そうか?さっきここ来る前、先生なんかちょっと焦ってたぞ?俺から見れば素っ気なくはないと思うんだけど」

「嘘だ〜そんなの。生徒としてでしょ?それ」




そんなの有るはずがない。
だって現に祐真は私をなんとも思ってないんだから。


けれど


期待せずにはいられないよ。
祐真はホントに私のことどう思ってるんだろう……。

名前を呼ばれるのが嬉しくて、優しくされるのが辛くて…。
これって好きになりすぎてるんだよね。


「な。笹川、今度の土曜遊びに行かない?」

「え、なんで?」

「だって最近笹川元気ないじゃん?たまにはいいだろ、こーゆーの」

「じゃあ、萌花も誘おうか?」

「いや、二人で行こーぜ」

「は?ソレ、デートになんじゃんか」

「だから言ってんの」

「祐介、告ってんの?」

「……考えといて。」







そう言うと祐介はそそくさと屋上を降りて行った。

なんなんだ…アイツは。
分かってる?私は…祐真が好きなんだよ?
てか、これ知ったら萌花が傷つくし。
今は…ごめんね。祐介。
私は私の気持ちを曲げたくはないから。もし振られても祐介に靡(なび)くことはしない。