本当に気付いて無かったようだ。
もし俺も気付かなかったらあの大きな鳥が姫にぶつかっていたのか。

そう思うと、ぞっとした。
良かった、姫に怪我が無くて。

姫はシワになった制服を正しながら、俺に笑顔を向けた。

「ありがとね、颯大。」