気付いたら私は「よろしく」と言っていた。

千花も私を嬉しそうに呼ぶ。この学校では誰も呼んでくれなかった、「紘子」という私の名前。

友達はいらないと思ってた。
だけど…思うだけじゃわからない。

きっと、友達が出来たら…もう友達なんかいらない、とは思えなくなるんだろう。

現に今の私は友達はいらない、なんて思えない。

それは、友達が出来て初めてわかったことだった。