「先生」

松田だった。

意外、不思議、何故という言葉が頭をよぎった。 

「先生。俺見てました。桜井やってないです。」

「だがな、松田。みんなアリバイ…っていったらアレだけど。アリバイを持って居るんだ。残るのは…。それに、近くにいたし…他にだれも出来ないんだ。」

そう言われても食い下がってくれた。


「でも先生。桜井が入って間もなくあんなことになったんです。桜井にそんなことできるはずがありません。それに、」

美桜はそっと松田を見た。

まっすぐな目…

「それに、もしかしたらそのカミソリは昨日刺さったかもしれないじゃないですか。目の届きにくいところだし。」

美桜はほとんどもう顔がぐしゃぐしゃになっていた。

声をあげて泣いて、松田に抱きつきたいぃぃぃっ