「取り合えずプロポーズしてみたら?

キャリアを望む女性だとしても、

うちの会社じゃ先は見えてるし。」


「だったら、何でお前はキャリアを取ったんだ?」


「えっ?」


・・・・・



何でそんな話になるの。



「別に・・・キャリアを取ったんじゃないわ。

実際、総合職試験も受けてないし・・・。」


「じゃあ何で!」


高瀬が怒ったように言う。


「何で退職金が何だとかうそついて別れたんだよ。」


・・・



「うそじゃないわよ。

そうよ!私は退職金が大事だったの!

退職金出ないうちに辞めたくなかったの!」



ばかみたい・・・これじゃ金の亡者だ。

って言うか・・・

仕事を辞めたくないとかじゃなくて退職金って言う理由・・・



本当にばかだ・・・。



今さら気づいた。




「俺より?」


高瀬が私の心を見透かすようにこちらを見てる。


「そーよ。」


それしか返事ができなかった。