現在、グリフォンは順調に航行中。

特に敵影も見えず、半舷休息としている。

艦橋に残っているのは私とオペレーターのレノン・マリアーナ少尉のみ。

彼女も交代が来れば休息をとる事になっている。

彼女も帝少尉や白金少尉同様、年頃だ。

本来ならばこんな息苦しい艦の中に閉じこもったりせず、友人や恋人と青春を謳歌していてもいい筈だろうに…。

「?…なんですかぁ、艦長、そんなに人の顔見てぇ…?」

マリアーナ少尉が不思議そうな顔をするのを、私は微笑ましく思っていた。

と。

「!」

突然艦橋に電子音。

「何か!」

私の問いかけに、マリアーナ少尉が戦術モニターを見ながら読み上げる。

「艦前方に戦闘反応を確認…いえ…これは…」

彼女は振り向いて私の顔を見た。

「一方的に攻撃を受けている模様です」