「らしくない判断ミスだな、帝少尉」

「申し訳ありません、艦長…」

私の言葉に謝罪する帝少尉。

艦橋の主モニターに映る彼と白金少尉の表情は浮かない。

みすみす目の前でシェリン・コスミティアをミハエル・レイカーにさらわれてしまったのだ。

当然と言えば当然だ。

いつもは冷静な帝少尉が、こんなミスを犯すとは。

まぁ、彼にとってミハエル・レイカーは幾度となく砲火を交え、それでも仕留めきれない因縁の相手だ。

熱くなるのも致し方ないといえるか。

しかし。

「やはりコンロットはシェリン・コスミティアを狙っていたのだな」

「はい…間違いありません。二段仕掛けの鹵獲作戦を構えていた辺り、当初より彼女を狙っての作戦行動だと思われます」

帝少尉は頷いた。