今優先すべきはレイカーの撃墜ではなく、シェリンの乗るシャトルの防衛。

任務はわかっているつもりだ。

しかし好機をみすみす逃すほど俺は間抜けではない。

武装をグングニルからコテツブレードに持ち替え、接近戦に持ち込む!

「相変わらず血気盛んだな」

実体剣をスラリと抜き放ち、受け太刀するシグムンド。

そしてすぐさまオーディンを突き放して距離をとる。

「どうした、臆病風に吹かれたか『暁の死神』」

言い放つ俺のそばを。

「!」

赤い奔流が掠めた。

茜のMk―Ⅱが発射したハイバスターランチャーだった。

「貴方に一撃くれてやりたいのは、真紅郎だけじゃないのよ、レイカー!」

茜が吼える。

レイカーは彼女が射撃を敢行する事も見越した上で、素早く距離をとったのだ。