拡散したのは十数発の小型爆弾。

前回の戦闘時にはこちらの搭乗機体が量産型のソルジャーだったという事もあり、為す術もなく撃墜寸前まで追い込まれた。

が、今回は違う。

このオーディンは、レイカーのシグムンドを倒す為の機体だ。

この程度の攻撃でうろたえるほど柔じゃない。

素早くマルチロックモードに移行し、拡散した十数発の爆弾を捕捉する。

ロックオンには数秒もかからなかった。

俺はそれらに対し、正確無比なビーム射撃を実行する!

グングニルより撃ち出される、十数条の光線。

それらは寸分の狂いもなく爆弾を捉え、確実に破壊していく!

「ほぅ」

シグムンドのコクピットの中で、レイカーが声を上げた。

「大した性能だ。それともお前が腕を上げたのかな?帝真紅郎」

「貴様の世辞になど興味はない」

俺はフットペダルを踏み込んだ。