「……」

裏をとる必要はあるものの、シェリン自身のこの態度からは後ろめたいものがあるとは考えにくい。

恐らくは彼女の言う事は真実なのだろう。

となると、疑問が残る。

コンロット社は何故民間機を…しかもシェリン・コスミティアの乗るシャトルを襲撃したのか。

コンロット社の戦いを大義あるものと印象付ける為に、彼女を『看板』にしようとしたのか。

若しくはもっと単純な…国連軍が手出しできないようにする為の人質か。

どちらにしても上手くないやり方だ。

シェリンは地球圏の反戦の象徴。

平和の歌姫だ。

その彼女を盾に武力をかざすという事は、地球圏の殆どの人間に反感を抱かせる事になってしまう。

それはコンロット社としても本意ではないだろう。