「こちら…の…中だった…のシャトルだ…こちらの…に…来てくれて…する」

飛び飛びになった通信のせいで、何を言っているのかよくわからない。

「通信機の不調かしら?よく声が聞こえないわ。そちらに負傷者はいない?私達の艦で出来る限りの事はするわ。何か問題が起きていたら言って」

再び通信を送る。

すると。

「大丈夫です。私もスタッフの人達も、みんな元気です。助けて頂いて、有り難うございます、白金少尉」

さっきの通信とは別の人間の声が返ってきた。

女性の声だ。

穏やかで、透明感があって、ひきつけられるような魅力的な声。

私がここ数日、頻繁に耳にしていた声だった。

間違いようがない。

「あ…あの…もしかして…シェリン・コスミティア…?」