懲罰房から美しい歌声が聞こえる。

コスモノア級汎用機動母艦グリフォン内。

一週間の謹慎処分を終えた白金茜を迎えに来た俺が耳にしたのは、ラジオから流れる歌だった。

「宗方艦長が砕けた人でね…一週間もこんな狭い部屋に閉じ込められては退屈だろうからって、ラジオを差し入れてくれたの」

部分おさげの髪を揺らして茜が微笑む。

全く。

懲罰の意味を履き違えてはいないだろうか。

それはともかく。

「聞き覚えのある曲だな」

俺が独房の扉を開けるなり。

「何言ってるの!シェリン・コスミティアの『SONGS』じゃない!」

信じられないといった表情で茜がまくし立てた。