私がハイバスターランチャーによる各個撃破を続けている間に、真紅郎のオーディンは腰にマウントしていた対AM用実体剣による近接戦闘に移行していた。

コテツブレード。

真紅郎がMk―Ⅱを愛機にしていた頃から装備していた、近接戦闘兵装だ。

戦艦の分厚い装甲をも斬り裂ける切れ味。

何より鉄壁の守りを誇るオーディンは、コテツブレードとの相性がいい。

…接近戦の混乱の最中。

「!」

ドラグーンの撃ったビームがオーディンに直撃する!

しかしビームは機体を貫通するどころか、見えない防壁に遮られたかのように霧散する。

シャットアウト・フィールド。

通称『Sフィールド』と呼ばれる不可視の防御壁。

平たく言えばバリアだ。

国連軍、帝重工通じての最新鋭AMであるオーディンは、そのSフィールドさえも標準装備しているのだ。