尚も迫り来る砲火。

俺は巧みなコントロールでその銃弾の雨を回避した。

加速、急制動、逆噴射、上昇、錐揉み、急降下。

あらゆるテクニックを駆使して、ドラグーン部隊の攻撃をステップを踏むかの如くかわす。

まるで銃弾がオーディンを避けているのではないか。

そう思わせるほどの回避運動だった。

オーディンの機動性、加速性能を十分に見せ付ける動き。

…だが、どんなに敵機の攻撃が当たらずとも、数を減らさなければ戦闘は永遠に続く。

それに救助しなければならない民間機の位置もまだ特定できない。

と。

「真紅郎どきなさい!巻き込むわよ!」

通信機越しに威勢のいい声が響いた。