フットペダルを踏み込むと、オーディンの背部スラスターが青白い炎を上げて加速した。

高速で飛翔する俺の機体に、ドラグーンの部隊がこぞって攻撃を仕掛けてくる。

ビームライフル、マシンガン、ロケットランチャー。

実体弾、重金属粒子織り交ぜての砲火。

オーディンはその殺意の雨の中を縫って飛ぶ。

勿論俺のコントロールによるものなのだが、オーディンのレスポンスはソルジャーMk―Ⅱ以上に素晴らしいものだった。

俺のフットペダルの踏み込み、メインレバーの数ミリの傾け、逆噴射のタイミング。

全てを敏感に感知し、俺の期待通りの反応を見せる。

「マッカートニー、いい仕事をしてくれた!」

俺はメインレバーに取り付けられたトリガーを引く!

オーディンの構えたグングニルの砲口から、真紅の重金属粒子が火を吹く!

精密照準など必要ない。

目視のみの狙い撃ちで、ビームは見事に一機のドラグーンを貫いた。