…トントン…ダン

 
 最後の1段だけ両足でジャンプして


 とうとう屋上にたどり着いた。

 
 アタシは、目をとじて


 大きく深呼吸をした。


「はぁ、着いたぁ~…、ってあれ?」


 ゆっくりと目を開いたアタシの前には


 いつもならありえないくらい


 人がいなかった。


 学校で有名な、いちゃいちゃカップルも


 勉強を頑張ってる、受験生も。


 誰1人、アタシの目に入ってくることは


 なかった。

 
「どうしたんだろう?誰もいないし…、
 もうちょっと、待ったら誰か来るよね?」

 
 そう自分に言い聞かせて5分、10分と


 待っていてもやっぱり、誰も来なかった。


「もうそろそろ、朝のHR始まるから
 帰ろう!!」


 そのときだった。


 非常階段の手すりをつかまって


 降りようとしてたあたしに


 激しい風が当たってきた。


 ブルブルブルブル…


 聞いたことがあるような音も聞こえた。




 まさか…




 ヘリコプター??