今日、アキラの仕事は休みだ。
久々に家族皆で昼食を楽しもうと、アユミが腕を振るっている間、アキラがまだ幼いアイラの面倒を任されていた。

こんな休日も満更でもない…と言うより、これが幸せだ。
疲れてはいるが、自分の子供と遊ぶのは大好きだ。
普段は帰ってきたらもう寝ている。
休みの日くらいしか遊んでやれない。

父親としてもっとアイラと接してやりたいが、忙しさがそうはさせない。

その分、アイラにはアユミが愛情を与え、たまの休日は我が娘をほぼ独占しても罰は当たらないだろう。


アユミも何も言わない…と言うよりはその方が良いようだ。




｢さて、ご飯冷めちゃうからアイラ呼んで来て。私準備しておくから。｣

｢うん、わかった。｣



新しい家族が出来てから、子供ができてから、大変な事も多い。
だが、それ以上にアキラは家族を愛している。
多少疲れていても、彼にとって家族がいるから我慢できること。
今は家族が彼の生きがいなのだ。

木の陰からちょこんと覗いたアイラに、手招きをしながら声をかけた。



｢アイラ、おいで！ママがご飯だって！｣



ご飯、と言う単語を聞くと、アイラは嬉しそうに手を叩き、小さいながら急いでアキラの元に駆け寄ってきた。



｢パパ、だっこ！だっこして！｣

｢ん？よぉし！じゃあママのところまでな。｣



小さなアイラを軽々と持ち上げ、廊下を歩いてアユミの待つリビングへ足を運んだ。