『あ、荷物持ってくれてごめんね?重いよね?』
七香は申し訳なさそうな顔をしていた。
・・・そんな顔しないで欲しい。七香は分かってない。自分がかわいいってこと。
「平気。どこ?」
『えっと資料室』
なんとか平静を保って行き先を聞いた。
資料室の中に入ってドアを閉めた時、七香が呟いた。
『・・・伊藤くんに悪いことしちゃったかなぁ〜。持ってくれようとしたのに』
それを聞いた瞬間荷物を棚に置き、俺は七香を抱きしめた。
『ひゃ』
そんな声も可愛いすぎる。
「荷物くらい、いくらでも持ってあげる」
だから他の男に頼らないで。俺がいるから。
『陽くん?』
七香は少し恥ずかしそうだった。俺はさらにギュッと力を入れて抱きしめて聞いた。
「伊藤くんって誰?」
『あのねクラスメイトなんだけど・・・私と伊藤くんよく授業いないからなんか仲間意識感じるんだ〜』
・・・ふーん。俺と共有出来ない時間を一緒に出来るクラスメイトってのも嫌だけど、仲間意識って聞いたら何かがプチっと切れて
『でもね』
気がついたら七香の言葉を遮って七香の唇を自分ので塞いでいた。