『陽くんの手って大きくて温かいね?』


私がそう言うと


「そう?七香も温かいけど」

陽くんはそう言って手をぎゅってさっきより強く握ってくれた。


この手の温かさに応援されて私は緑に言われたように頼んでみることにした。


よ、よし!いざ!


『あ、あのね陽くん?』


陽くんは正面を向いていた顔を私の方に向けた。


「ん?」


・・・だ、ダメだぁ・・・!
恥ずかしい・・・。陽くんカッコイイんだもん〜!


視線を感じて顔が赤くなるのが自分でもわかる。


やっぱりやめよう・・・


『や、やっぱりなんでもな・・・』


そう言って俯こうとしたら、突然腕を引っ張られてその温かい手で顔を挟まれてしまった。



「なに?さっきから顔みようとしないし」


それは陽くんがカッコよすぎるからだよ?


陽くんは不機嫌になっていた。

怒ってる?いつもめったに怒らないのに・・・



『あの・・・ね?え、英語教えてもらいたいんだけどダメですか?』


私はとうとう観念して陽くんの顔をしっかり見て言った。


「・・・」


陽くんは黙ったまま。

う゛う゛手、離してくれないかなぁ〜


か、顔が近い!