え?
ただ口がぽかんと開いたまま何も言葉にできない



「それ、ほんとなの。あたし、隼人くんのこと好きだった。」



「え、あ、えーと」



急にそんなこと言われても困るわ



今まで田中空のことをそういう目で見たことなかったから



ただ喋りやすい女友達
バスケ仲間



それだけだった



「なんか、急にごめん。でも過去形だから。好きだったの」



だった。の部分をわざとらしく強調して言う田中空



「なんか。ごめん。」



なんだか
俺って
最悪だ



知らないうちに
田中空のことも
美海のことも
傷つけていた




俺が気づかないことに
美海は気づいていた



自分の鈍感さに呆れて何もいえない




「謝んないでよ。てかさ、謝んないといけないのはあたしのほうだよ。

美海ちゃんに余計な心配させちゃったみたい。

美海ちゃんに謝んないと」



そう苦笑いを見せた時



ガタンッ



突然ドアが勢いよく開いて



そこに美海が立っていた